2020/06/04
財務分析指標のひとつに「自己資本利益率」があります。「ROE」とも呼ばれます。
「ROE」とは「Return on Equity」の略称であって、自己資本(純資産)に対して、どれだけの利益が生み出されたのかを示す指標です。企業の収益性判断の指標として、また、株式投資の株価」指標として重要視されています。
目次
自己資本利益率(ROE)でわかることとは?
「自己資本利益率(ROE)を算定して分かることとは?」の本題の前に、まずは、自己資本利益率(ROE)の算定はどのように行うのか見てみましょう。
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自己資本利益率の算定
自己資本利益率(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本(※)
(※)自己資本=純資産-新株予約権 -少数株主持分
自己資本利益率(ROE)で分かること
自己資本利益率(ROE)の計算式を見ると、自己資本1円でいくら当期純利益を生み出しているか計算することになります。
このように、自己資本利益率(ROE)とは、企業が自己資本を運用して当期順利益を生み出したかを表す指標となります。自己資本利益率(ROE)が高い企業は、株主が投資したお金を元手に効率よく利益を生み出していることになるので、投資家が集まってくることになります。一方で、自己資本利益率(ROE)が低い企業は、資本効率の悪い企業運営をしていることになり、投資家は離れていきますし、株価が下落する可能性が出てきます。
安心できる自己資本利益率はどれくらい?
一般的に言われているのは、健全な経営を運営している企業の自己資本利益率(ROE)は「10~20%」ほどです。
自己資本利益率(ROE)を向上させる2つの方法
自己資本利益率(ROE)向上させる方法は2つあります。
計算式を見ていただければ分かると思いますが、
- 当期純利益を増やす。
- 自己資本を減らす。
この2つです。
自己資本利益率(ROE)を構成する期純利益と自己資本を増減させるのです。
ただ、投資家は、どのように自己資本利益率(ROE)を向上させたのか、しっかり分析しています。
当期純利益を増やして自己資本利益率(ROE)を向上させた企業に対しては、長期的に安定した経営を運営してくれると見ます。
一方で、自己資本を減らして自己資本利益率(ROE)を向上させた企業に対しては、短期的な改善しか見込めない企業なのか?と経営を疑問視されてしまう恐れがあります。自己資本を減らす=減資を行うのは、株主を絞って、その株主に手厚い還元を行うという目的もあるので、一概に批判的に受け止めらルことはありませんが、投資家に対して充分な説明が必要です。
まとめ
・自己資本利益率(ROE)とは、自己資本で生み出す当期純利益を示す財務指標。
・自己資本利益率(ROE)の算定
自己資本利益率(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本
・自己資本利益率(ROE)が10~20%程度であれ健全な良企業。