2020/06/04
経理の仕事は、簿記に加え、税務や会計等の専門知識が求められます。
また、数字を1円単位まできちんと合わせることが必要なので、
地味でかたい仕事と思っている人も多いことでしょう。
事務職の中で転職するにあたり、ハードルが高いといわれている経理の仕事に
未経験でも転職のチャンスはあるのか?
チャレンジするなら何をどのようにすればよいのか考えていきます。
目次
未経験でも経理の仕事ができるようになるために経理の仕事を知りましょう
経理の仕事は、会社の運営に必要不可欠なお金と、経営判断に必要な数値の情報を管理します。
主な仕事内容としては、会社の取引や、社員の活動によって発生するお金に関する取引を
伝票作成し、データ入力したあとで、経営状況をまとめ分析します。
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経理の仕事は3つの業務内容で区分される
経理の仕事は、大きく分けて3つの業務内容に区分されます。
1.日常業務
現預金の収支管理、経費精算、伝票作成、データ入力、売掛金・未収入金と買掛金・未払金管理など
2.月次業務
取引先からの売掛金入金や未収入金入金の処理、買掛金支払いや未払金支払いの処理、
給与支払い手続き、売掛金・未収入金の請求書発行、
月次貸借対照表・損益計算書、管理会計の経営分析報告資料作成など
3.四半期・年度末業務
決算書類作成、減価償却計算、法人税等の税務申告、資金計画策定など
経理の仕事は、ほぼ毎日、数字を見ている仕事です。
現金や預金の残高が正しいか
売掛金などの入金がきちんとされているか
支払い漏れがないか
などの基本的な経理業務はもちろんのこと
入力したデータから出た貸借対照表や損益計算書をただ眺めるのではなく
さらに、経営状況を分析した管理会計データを作成することも行います。
ただ、会社によっては、管理会計データの作成は、会社の中枢機能である
経営企画部が行うこともありますね。
経理への転職にあたり、さらにハードルが高くなってしまいましたか?
でも、心配いりません。
未経験でも経理の仕事に就けるように、
経理への転職に必要なことをみていきましょう。
未経験者が経理の仕事に就くために必要なスキル
1日中パソコンに向かって数字を扱う仕事はイヤ・・・なら
経理の仕事はあきらめたほうがよいですが、
そうでないのなら、次に示すスキルはあったほうがよいです。
スケジュールの管理がしっかりとできること
経理の仕事は、つねに締め切りに追われています。
締め切りに追われ続けて年度末を迎える感じです。(笑)
伝票たった1枚の処理の漏れやミスで、そのあとの業務すべてに影響を与えてしまうため、
作業の遅れやミスが出ないように、作業を漏れなく洗い出し、スケジュール化して管理することが重要です。
自分の小さな作業の遅れ・ミスで重要な決算業務に支障が出ないよう
スケジュールと作業の段取りを組み立てることです。
これが得意な人は、経理のお仕事に向いているといえます。
集中力・注意力があること
先ほども言いましたが、経理の仕事というものは、1円単位まできちんと合わせることを求められます。
自分が1円出すから簡便して・・・などとはいきません。(笑)
また、例えば、売掛金や買掛金などの残高が変だな、と気づいたら、
過去にさかのぼって取引データを検証するなどの掘り起こし作業を行います。
これが長時間におよぶことになることが多く、とても大変な作業になります。
このようなことにならないように、日ごろから注力を働かせて作業に集中し、
チェックにチェックを重ねて、ミスをしない用心深さが必要になります。
また、経理部というものは、会社のお金に関することと経営数値における
最終チェック機能という役割を持っています。
他の組織は、お金や経営情報などの数字に関して
「経理部がチェックしてくれるから安心だ。」と思いがちで、
忙しさにかまけて」手を抜いた請求書や伝票を回してきたりすることがあります。
人を疑うことはどうか、と思うこともありますが、
他の組織から回ってきた伝票や請求書などの情報に対しては
疑いの眼で見て、おかしいと思ったらしっかり調べるといった
手間を惜しまない用心深さや注意力が必要となります。
ひとつのことを集中してできる人や
自分がやったことを見直す習慣がある人は、経理の仕事に向いているといえます。
協調性をもってコミュニケーションがはかれること
決算作業は、経理部全員がチームを組んで、ゴールに向かって仕事を遂行するものです
ひとりで黙々と作業をしても決算は締まりません。
経理部の社員が、おたがいの作業を把握し、進捗具合を確認しあうことが必要です。
もし、作業が遅れている人がいたら、まわりの人たちで必要なフォローをするといった
協調性とチームワークが必要です。
そういったことからも、経理部の社員たちのコミュニケーションは、
ほかの組織よも活発にとられていると思います。
また、経理部は、会社全体のお金に関することを扱っていることもあることから
ほかの組織とのやりとりが多い組織でもあります。
経理処理が得意ではない組織から回ってくる書類等は間違いが多いものですが
そこで怒りたい気持ちをグッと我慢して(笑)、
協調性をもってコミュニケーションを図ることが大事です。
協調性があってコミュニケーションを図ることができる人は、
経理の仕事に向いているといえます。
経理の仕事に必要な知識や資格を持っていること
はっきりいって、日商簿記の資格がなくても経理の仕事はできます。
ただ、未経験の人が経理の仕事に転職したいのであれば
経理の知識や資格は持っていたほうが断然有利になります。
税理士の資格や公認会計士の資格は、経理に関する資格のなかで
もっとも価値がある資格ですが、難易度が非常に高いので
そう簡単に取得できるものではありません。
がんばれば取得できる資格なら、日本商工会議所の簿記検定がおすすめです。
日本商工会議所の簿記検定(日商簿記)
未経験者が経理のお仕事への転職を考えるのであれば、日商簿記は取得しておいた方がよいです。
簿記の知識があれば経理の仕事ができるものではありませんが、
経理の専門用語、複式簿記の仕組みや貸借などの基本的な知識を持っていないと厳しいので、
簿記の資格を取得し、経理の基本的知識を習得しましょう。
ExcelやWordなどのパソコンスキル
貸借対照表や損益計算書は、専門の会計ソフトにデータ入力することで作成できますが、
管理会計に組み替えた分析データなどは、エクセルを使って作成することが多いです。
足し算引き算、掛け算割り算ができるのは当たり前で、
できれば「Vlookup」などの関数が操れるとよいですね。
グラフ作成にも慣れておきたいものです。
また、年度末決算では、事業報告書や計算書類等の外部向け報告資料を作成する
ことになりますが、これはWordで作成することが多いので、Wordのスキルも
習得しましょう。慣れておかないと、段落揃えなどの基礎的な作業で
てこずったりしますから注意が必要です。
未経験でも経理の仕事に就きたいのなら
率直に言って、
20代の人であれば、
日商簿記2級以上の資格を取得していて、
協調性がある人であれば、
未経験でも経理の仕事に就ける可能性は高いです。
さらに、タフでストレスに強ければ文句なしでしょうか。
肝心なことは、転職活動の面接にそなえ
自分の考えをきちんとせりしておくことです。
なぜ経理の仕事に就きたいのか?
経理の仕事に就いて目指すことは何か?
30代以上の人ならば、ハードルは上がりますが
未経験でも経理職への転職は可能です。
それには、上記で話したことに加え、
金融に関する知識、保険に関する知識を十分身に付けてください。
経理の仕事には、金融や保険に関する知識も必要となります。
20代なら、転職してから身に付ければよいのですが、
30代で経理に転職するのであれば、転職前にその知識を身に付けておきましょう。
まとめ
未経験で経理の仕事に転職することは難しいことではありません。
HEBOのまわりでも、30代で経理部に転職してきた人が何人もいます。
数字が嫌いなひとでなければ、きっとやっていけるでしょう。