2020/06/04
目次
転職を成功するためにはまずはまわりの人との付き合いを重視する
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大手企業での人間関係について
「大手企業」に勤める人で人間関係の理由から転職を考える人はあまり
いないと思っています。と言うのも、大企業では、概ね3年周知で人事
異動が行われ、もし、今苦手な上司や嫌いな先輩等がいても、3年も経
てば、どちらかが別の部署等に移動となりますので、我慢もできるから
です。
中小企業への転職を考えるなら人間関係はさらに重視
ところが、中小企業ではそうはいきません。
中小企業は、社員が多いところでも100名程度、ほとんどは数十名程
度の社員数といったところばかりですので、ワンフロアーのオフィスの
中に全社員がいるといった環境です。
苦手な上司、嫌いな先輩等は自分の視界に入る所に必ずいます。
また、特定の業務を行うために中途採用された社員が多数いるという傾
向があるので、別業務に配置換えという事もあまりありません。
ですから、一緒に業務を進めていかなければならない。
このことから、中小企業では、その会社にいたいのなら人間関係を良好
に保つ事は必須です。
そういったこともあり、中小企業に勤める人達は、生活のため、もしく
は成し遂げたい目標のため、時には自分を殺してでも、周囲との協調を
図る必要があるのです。
これには人には言えないストレスや忍耐が伴います。が、強い精神力を
持った人達ばかりではありません。
時には耐えられずに自らの命を絶つという人もいると聞きます。
HEBOが経験した悲しい体験から・・・
何年も前のことですが、私の部下にとても頭のよい女子社員がいました。
明朗でテキパキと業務をこなす反面、複雑な家庭環境のためか、他の人
よりも自己主張が激しいという一面も持ち合わせていました。
彼女は、当時課長だった私の指示は快く受け入れてくれたのですが、一
方で、社長の言う事に背くこともよくありました。
その都度、私は彼女を小さな会議室に呼び注意をするのですが、彼女は
「私を正しく評価してくれない人の命令など聞けない!」と言うのです。
「評価=報酬」のことですが、前回の「報酬編」で書いた中にあったよ
うに「他の同僚と自分の報酬を比較し」不満を抱いたのです。
社長は、創業者であり、ワンマン経営を行ってはいたものの、社員に対
しては公平に接し、彼女が言う「色眼鏡で見る」ような人物ではありま
せん。
社長が彼女に対し偏った評価をしたのではなく、彼女が自分自身を誇大
評価していたのです。
そのことを理解してもらおうと私自身も努めました。しかし、それが今
度は、私と彼女の溝を生むことになってしまたのです。
明朗だった性格は一転し、誰に対しても敵意を見せるようにまでなって
しまいました。
完璧にこなしていた業務も、まるで別人が行ったのかと疑うくらいお粗
末な成果しか出せなくなってしまいました。
以前の彼女を知っている私は、なんとかして本当の自分を取り戻して欲
しい一心から、何度も話し合いの場を持とうとしましたが、全く聞く耳
を持ちません。
あげくには、私を含めた管理職たちを「会社のイヌ!」と呼ぶようにま
でなってしまったのです。
ずさんな仕事しかできなくなった彼女は、当然のことながら、重大なミ
スを犯してしまいました。
いつもなら「人間ならミスはするもの」と社員が犯したミスには寛大な
対応を見せる社長も、彼女に対しては厳しい処分を下し、彼女は会社を
辞めることになったのです。
社会人として 『ひと』として・・・
彼女が会社を去る前日、私を呼び出してきました。私は少々ビビリ(笑)
ながらも、指定された店に行きました。
彼女は先に待っていましたが、そこには、忘れかけていた以前の彼女の
穏やかな表情がありました。
彼女は、会社での思い出を全て捨ててしまおうと、在籍中に増えた荷物
を整理していて、手帳や社内の催事に撮った写真を見ているうちにいろ
いろ思い出したそうです。
手帳には、業務の備忘記録に加え、自分の主張した内容、それに対応し
た人のコメントなどが細かく書かれていたそうで、写真を見ながら思い
返しているうちに、自分の身勝手さに気づいたそうです。
時既に遅し・・・ではありましたが、次の職場で彼女が同じ過ちを犯さ
ずに済むことが確信できたことが、私にはとても嬉しく感じました。
「お互いが相手のことを理解し、思いやってこそ、大人の社会人として
付き合うことができるのですよね。
それを私ができていれば、『人間関係』で転職を考える事などなかった
と思います。
これって『ひと』としても とても大切なことですよね。」
彼女から聞いたその言葉は、今でも私の手帳に書き記されています・・・